先日、ついに我が家にも家庭用金庫がやってきました。以前から、万が一の災害時や空き巣被害のことを考えると、大切な通帳や印鑑、パスポート、そして何よりも家族の思い出の品々を安全に保管できる場所が必要だと感じていました。特に子供が生まれてからは、その思いがより一層強くなり、夫婦で話し合った結果、家庭用金庫の購入に踏み切ったのです。とはいえ、金庫と一口に言っても、その種類は想像以上に多く、どれを選べば良いのか最初は途方に暮れました。インターネットで情報を集めたり、ホームセンターの金庫売り場を実際に見て回ったりする中で、私たちが重視したのは「耐火性能」と「ある程度の防盗性能」、そして「日常的に使いやすい操作性」でした。あまりに複雑な操作だと、いざという時に慌ててしまったり、普段使いが億劫になったりするのではないかと考えたからです。最終的に選んだのは、A4サイズの書類がすっぽり収まり、1時間の耐火性能があるテンキー式の金庫です。重さもそこそこあり、簡単に持ち去られる心配も少なそうです。設置場所は、寝室のクローゼットの奥に決めました。普段はあまり人目に触れない場所でありながら、万が一の際には比較的持ち出しやすいと考えたからです。金庫が届いた日は、なんだか家中が少し引き締まったような、そんな不思議な感覚がありました。早速、これまでバラバラに保管していた重要書類や、子供が初めて書いた絵、家族旅行の写真などを金庫に納めました。一つ一つを手に取りながら、「これは火事でも大丈夫」「これは泥棒にも取られない」と、まるで宝物を守る砦ができたような安心感に包まれました。もちろん、金庫があるからといって、全ての危険がなくなるわけではありません。日頃からの防犯意識や防災対策も重要です。しかし、この一台があることで、心のどこかにあった漠然とした不安が軽減されたのは間違いありません。特に、私のように心配性な性格の人間にとっては、この「安心感」こそが、家庭用金庫がもたらしてくれた最大の価値なのかもしれません。