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金庫のダイヤルを忘れた時の費用相場
金庫のダイヤル番号を忘れ、プロの業者に、その開錠を依頼する。その決断をした時、誰もが最も気になるのが、「一体いくらかかるのか」という、費用面の問題でしょう。金庫の開錠費用は、金庫の種類、防犯性能(グレード)、そして、解錠方法によって、大きく変動するため、一概に「いくら」とは言えませんが、おおよその相場を知っておくことで、業者から提示された見積もりの、妥当性を判断する、基準になります。まず、金庫の種類によって、料金は大きく異なります。一般家庭でよく使われる、高さ五十センチ程度の「家庭用手提げ金庫」や、「小型の耐火金庫」の場合、解錠作業の相場は、一万五千円から三万円程度です。このクラスの金庫は、比較的、構造がシンプルなものが多く、プロであれば、短時間で、非破壊解錠できる可能性が高いため、料金も、抑えめになります。一方、企業や店舗などで使用される、「業務用金庫」になると、話は、全く変わってきます。業務用金庫は、防盗性を高めるために、複雑なロック機構や、ドリルなどによる破壊行為を防ぐための、特殊な素材(リロッキング装置など)を備えています。そのため、解錠の難易度が、格段に上がり、費用も、五万円から十数万円、あるいは、それ以上になることも、珍しくありません。金庫のサイズが大きくなればなるほど、また、防盗グレードが高くなればなるほど、料金も高額になる傾向があります。次に、解錠方法によっても、費用は変わります。金庫を傷つけずに開ける「非破壊開錠」と、ドリルなどで穴を開ける「破壊開錠」の二種類がありますが、当然ながら、高度な技術を要する、非破壊開錠の方が、料金は、高めに設定されています。しかし、破壊開錠を選ぶと、金庫は、二度と使えなくなってしまうため、解錠後のことを考えれば、多少高くても、非破壊開錠を選ぶ価値は、十分にあります。
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恐怖の体験談。私がトイレに閉じ込められた90分間
それは、一人暮らしのアパートでの、ある平日の夜のことでした。就寝前にトイレに入り、何気なく内側から鍵をかけたのです。そして、用を足して出ようと、ドアノブに手をかけ、つまみを回そうとした瞬間、異変に気づきました。つまみが、固くて全く動かないのです。まるで、溶接されたかのように、びくともしません。最初は「何かの間違いだろう」と、もう一度力を込めてみましたが、結果は同じ。その瞬間、全身から血の気が引いていくのを感じました。狭くて窓もない、密室の空間。私の手元には、運悪くスマートフォンもありませんでした。一気にパニックが襲ってきましたが、「落ち着け、落ち着け」と自分に言い聞かせ、まずは大声で助けを求めてみました。しかし、深夜のアパートでは、私の声は虚しく響くだけでした。次に、ドアを力いっぱい叩いてみましたが、これも反応はありません。時間が経つにつれて、焦りは恐怖へと変わっていきました。このまま朝まで、いや、誰かが気づいてくれるまで、ここから出られないのだろうか。様々な最悪のシナリオが頭をよぎり、息が苦しくなってきました。どれくらいの時間が経ったか分からなくなった頃、私はふと、いつも化粧ポーチに入れている、細いヘアピンの存在を思い出しました。藁にもすがる思いで、そのヘアピンをドアとドア枠のわずかな隙間に差し込み、ラッチボルトらしき部分を必死で探りました。何度も失敗し、指先が痛くなるのも構わず、ただひたすらに動かし続けました。そして、何度目かの挑戦で、カチリ、という小さな、しかし天の助けのような手応えがあったのです。ゆっくりとドアノブを回すと、扉はあっけなく開きました。時計を見ると、閉じ込められてから九十分が経過していました。