築年数が数十年経過している古い家屋や、湿気の多い浴室や海岸近くの住宅などでドアノブ交換をしようとした時、必ずと言っていいほど直面するのがネジや部品が錆びついて固着し、どれだけ力を込めてドライバーを回そうとしてもびくともしないという絶望的な状況ですが、ここで力任せに回してネジ山を潰してしまったりドアを破壊してしまったりする前に、プロも実践しているいくつかのテクニックを試してみることで驚くほどあっさりと外れることがあります。まず最初に試すべき基本的な方法は、市販の浸透潤滑剤(KURE5-56など)をネジの隙間やノブの可動部分にたっぷりと吹き付けて、油分が錆の層に浸透するまで10分から20分程度じっくりと待つということであり、この「待つ時間」を惜しまないことが成功への第一歩となります。それでも回らない場合は、ドライバーの柄の尻部分をハンマーでトントンと叩いて衝撃を与える「ショック療法」が有効で、叩く振動によって金属同士の固着部分に微細な亀裂が入り、潤滑剤がより奥まで浸透しやすくなると同時に結合力が弱まるため、その直後に力を込めて回すとパキッという音と共にネジが回り出すことが多いのです。もしネジ山が既に錆でボロボロになっていたり、ドライバーが滑って潰れてしまったりした場合は、摩擦増強液を使ったり、あるいは「ネジザウルス」のような潰れたネジを掴んで回すための特殊なプライヤーを使ったりするのが効果的ですが、ドアノブの場合はネジ頭が埋め込まれていて掴めないこともあるため、その場合は電動ドリルと金属用ドリルビットを使ってネジの頭自体を削り取って破壊するという最終手段に出ることになります。また、丸い座金自体がペンキや錆でドアに張り付いているケースでは、皮スキやマイナスドライバーのような薄い金属板をドアと座金の隙間に差し込み、ハンマーで優しく叩き込みながら周囲を一周させて縁を切るようにすると剥がしやすくなりますが、ドアの表面を傷つけないように当て布をしたり慎重に作業したりする配慮が必要です。浴室のドアノブなどは内部の角芯までもが完全に錆び付いて一体化してしまっていることがあり、こうなると外側からも内側からも外せないという最悪の事態になりますが、そのような時は金ノコを使ってノブの首部分を切断してしまうという荒療治も選択肢の一つです。
錆びて外れない古いドアノブの外し方