ドアノブは、日々の生活で何度も触れる、住まいの中でも特に身近な存在です。何気なく選んでしまいがちですが、実は機能性やデザインによって、使い勝手や住まいの印象が大きく左右されることをご存知でしょうか。まず、最も重要なのが「使用場所と用途」を明確にすることです。玄関ドア、室内ドア、浴室ドアなど、設置する場所によって求められる機能が異なります。玄関ドアであれば、ピッキング対策やサムターン回し対策など、高い防犯性能が必須です。ディンプルキーやカードキー、暗証番号式などの鍵の種類と、ドアの構造に合った製品を選ぶ必要があります。子供部屋や高齢者のいる家庭では、握りやすく、軽い力で操作できるレバーハンドルや、手が滑りにくい素材のドアノブを選ぶと安心です。浴室ドアの場合は、水濡れに強く、錆びにくい素材を選ぶ必要があります。ステンレス製や樹脂製のドアノブが適しています。次に、「デザインと素材」です。ドアのデザインや周囲のインテリアとの調和を考慮し、素材や形状、カラーを選びましょう。素材には、ステンレス、真鍮、アイアン、木製、陶器など様々な種類があり、それぞれ質感や経年変化が異なります。ステンレスは、モダンでシャープな印象を与え、耐久性にも優れています。真鍮は、使い込むほどに味わいが増し、アンティーク調の空間によく合います。アイアンは、重厚感があり、インダストリアルな雰囲気やカントリー調の住宅に最適です。木製や陶器は、温かみのあるナチュラルな印象を与えます。形状も、丸型、レバー型、プッシュプル型など様々なタイプがあります。丸型は握りやすい定番の形状ですが、手が濡れていると滑りやすいことがあります。レバー型は、手のひらや腕でも操作しやすく、ユニバーサルデザインとしても優れています。プッシュプル型は、押すか引くかの簡単な動作で開閉できるため、便利ですが、デザインのバリエーションは比較的少ない傾向があります。最後に、「取り付け方法とサイズ」です。ドアノブの交換を自分で行う場合は、現在付いているドアノブのタイプや、ドアの厚み、バックセットなどを正確に測り、適合する製品を選ぶ必要があります。
機能とデザインで選ぶ理想のドアノブのチェックポイント