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トイレのドアが開かない時の応急処置
トイレのドアが内側から閉ざされ、中から応答がない。あるいは、自分が外に出た後に、何かの拍子で鍵がかかってしまった。そんな「トイレのドアが開かない」という状況は、非常に焦るものです。しかし、多くの場合、トイレの鍵は緊急時に備えて、外側からでも開けられる簡単な仕組みになっています。業者を呼ぶ前に、まずは落ち着いて、これから紹介する方法を試してみてください。最初に確認すべきは、ドアノブや鍵のタイプです。まず、ドアノブの中央や、ノブの下に小さな穴が開いているタイプ。これは主に「円筒錠」と呼ばれるもので、この穴にキリや爪楊枝、あるいは伸ばしたペーパークリップの先などの細くて硬いものを差し込み、カチッと手応えがあるまで押し込むことで、ロックが解除される仕組みになっています。次に、マイナスドライバーで回せるような、横一文字の溝があるタイプ。これは「非常開錠装置付き」の錠前で、文字通り非常時に外から開けるためのものです。この溝に、マイナスドライバーや硬貨(十円玉など)、あるいはハサミの刃先などを当てて、ゆっくりと回してみてください。多くの場合、九十度ほど回すことで解錠できます。そして、商業施設などでよく見られる、赤(使用中)と青(空室)の色で表示される「表示錠」の場合も、外側に非常解錠用の溝が付いていることがほとんどです。これも同様に、硬貨などで回すことで開けることができます。これらの方法を試す際に最も重要なのは、焦って無理な力を加えないことです。溝を潰してしまったり、内部の部品を破損させてしまったりすると、簡単な解錠で済んだはずが、錠前全体の交換という大事に至ってしまいます。あくまで優しく、ゆっくりと操作するのがコツです。
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【閉じ込められた!】トイレのドアが開かない時の脱出法
トイレの鍵を閉めた後、いざ出ようとしたら、つまみが固くて動かない、あるいはドアノブを回してもラッチが引っ込まない。トイレの中に閉じ込められてしまった時、人は極度のパニックに陥りがちです。しかし、こんな時こそ深呼吸をして、冷静に行動することが、安全な脱出への唯一の道です。まず、最も重要なのは、外部に助けを求めることです。幸いにもスマートフォンを持っていれば、家族や友人に電話をかけ、状況を説明しましょう。もし誰も連絡がつかなければ、ためらわずに鍵の専門業者に電話をし、現在の状況と住所を正確に伝えてください。スマートフォンがない場合は、大声で叫んだり、ドアを強く叩いたりして、家族や隣人に自分の存在と異常事態を知らせることが重要です。次に、助けを待つ間に、自分でもできることがないか確認します。まずは、鍵のつまみやドアノブを、もう一度、様々な角度からゆっくりと動かしてみてください。慌ててガチャガチャと動かすのではなく、少しドアを引いたり押したりしながら、力を加える方向を変えてみるのがコツです。建付けの歪みなどで、ラッチがドア枠に強く圧迫されている場合、この動作で引っかかりが外れることがあります。また、ヘアピンやクリップなど、細くて硬いものがあれば、ドアとドア枠の隙間に差し込み、ラッチボルトを直接押し込めないか試してみる価値はあります。これは、クレジットカードなどを使う方法として知られていますが、カードを傷つけたり破損させたりするリスクが高いため、あくまで最終手段と考え、できれば他の道具で行いましょう。ここで絶対にやってはいけないのが、ドアを蹴破ったり、窓から脱出しようとしたりする危険な行為です。
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ダイヤルを忘れないための金庫との付き合い方
金庫のダイヤル番号を忘れてしまい、多大な時間と費用をかけて、専門業者に、開けてもらった。そんな苦い経験をした後、誰もが思うのは「二度と、番号を忘れたりしないようにしよう」ということです。金庫のセキュリティを維持しつつ、万が一の際にも、確実に開錠できるようにするためには、暗証番号の管理方法を、根本から見直す必要があります。まず、最も重要なのは、番号を物理的な形で、かつ安全な場所に、記録しておくことです。頭の中だけで記憶しておくのは、最も危険な方法です。人間の記憶は、時と共に曖昧になり、緊急時には思い出せなくなることもあります。番号を書き留めたメモを、金庫本体に貼り付けたり、すぐ近くに置いたりするのは論外ですが、例えば、実印や銀行の通帳など、普段は金庫に仕舞っておくような貴重品とは別の、安全な場所に保管しておくのが良いでしょう。例えば、信頼できる家族だけが知っている本棚の特定のページに挟んでおく、あるいは、貸金庫に預けておくというのも一つの方法です。また、番号の控えを一つだけでなく、複数作成し、別の場所に保管しておく「バックアップ」の考え方も重要です。自宅の書斎と、実家の仏壇の中、というように物理的に離れた場所に保管しておけば、火災や盗難といった不測の事態にも対応できます。デジタルでの管理も有効な手段です。パスワード管理アプリなどを利用し、暗号化された状態で番号を記録しておけば、スマートフォンさえあればいつでも確認できます。ただし、その場合はスマートフォンのセキュリティ対策を万全にしておくことが大前提となります。そして、最も確実な方法が、信頼できる家族や、弁護士などの代理人と、番号を共有しておくことです。自分自身に何かあった場合でも、残された家族が金庫を開けられずに困るという事態を防ぐことができます。
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祖父のダイヤル金庫を開けた日
祖父が亡くなってから、実家の整理をしていた時のことだ。押し入れの奥から、ずしりと重い、古ぼけたダイヤル式の金庫が出てきた。生前の祖父が、何を大切に仕舞っていたのか、家族の誰も知らなかった。もちろん、ダイヤルの番号も。その日から、その金庫は、私たち家族にとって、開けることのできない、タイムカプセルのような存在になった。中には、祖父のへそくりでも入っているのだろうか、あるいは、私たちも知らない、家族の歴史を物語るような、手紙や写真だろうか。想像は膨らむばかりだったが、私たち素人の手には、負えなかった。数ヶ月が経ち、私たちは、ついに専門の鍵屋さんに、来てもらうことを決意した。電話で事情を話すと、ベテランらしき、落ち着いた声の男性が、「お任せください」と言ってくれた。当日、現れたのは、想像通りの、熟練の職人といった風貌の男性だった。彼は金庫を一目見るなり、「これは良い金庫ですね。昭和四十年代のものでしょう」と、まるで旧友に会ったかのように言った。彼は、聴診器のような道具を取り出すと、金庫のダイヤル付近に当て、静かに耳を澄ませ始めた。部屋には、彼がダイヤルを回す、カチ、カチ、という乾いた音だけが、響く。私たちは、息を飲んで、その指先の動きを、見守っていた。十分、二十分と時間が過ぎ、もう無理かもしれない、と諦めかけたその時、彼はふっと顔を上げ、「開きますよ」と静かに告げた。そして、最後の操作を終え、重々しいハンドルを回すと、ゴトン、という鈍い音と共に、何十年も閉ざされていた、分厚い扉が、ゆっくりと開いた。金庫の中から現れたのは、現金や宝石ではなかった。そこには、古びたアルバムと、祖母に宛てて書かれた、しかし投函されることのなかったであろう、何通もの恋文、そして、私たちが生まれた時に撮った、へその緒と小さな写真が、大切に桐の箱に収められていた。
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金庫のダイヤル操作の基本
百万変換ダイヤルや、一億変換ダイヤル。金庫で使われる、ダイヤル錠には、その組み合わせの多さから、大げさな名前が付いていますが、その基本的な「開け方」の操作方法は、どのメーカーの金庫でも、ほとんど共通しています。番号を忘れてしまった場合は、もちろん開けることはできませんが、もし、正しい番号が分かっているのに、開かない、という場合は、この基本的な操作方法を、間違えている可能性があります。もう一度、その、正確な手順を、おさらいしてみましょう。ここでは、最も一般的な、「右へ4回、左へ3回、右へ2回、左へ1回」という、4つの数字を合わせるタイプの、ダイヤル錠を例に、解説します。まず、最初の準備として、ダイヤルを、どちらかの方向に、ぐるぐると、4〜5回、余分に回して、内部の座(タンブラー)を、リセットします。ステップ1は、1番目の数字を、「右」に「4回」、合わせます。ダイヤルを、ゆっくりと右(時計回り)に回し、1番目の数字を、盤面の、基準となる印(指標)に、通過させていきます。一回、二回、三回と通過させ、そして、四回目に、その数字が、指標に、ぴったりと合うように、止めます。ここで、少しでも行き過ぎてしまったら、最初のリセットから、やり直しです。ステップ2は、2番目の数字を、「左」に「3回」、合わせます。今度は、ダイヤルを、ゆっくりと左(反時計回り)に回し、2番目の数字を、指標に、一回、二回と通過させ、三回目に、ぴったりと止めます。ステップ3は、3番目の数字を、「右」に「2回」、合わせます。再び、右に回し、3番目の数字を、指標に、一回通過させ、二回目に、ぴったりと止めます。そして、最後のステップ4。4番目の数字を、「左」に「1回」、合わせます。左に回し、今度は、一度も通過させることなく、4番目の数字が、指標に、ぴったりと合うように、止めます。これで、全ての操作は完了です。あとは、鍵を差し込んで回すか、あるいは、ハンドルを操作すれば、扉は開くはずです。